2021.06.25

こんにちは、コピーライターの白石です。
最近悲しかったことは、会議で一心不乱に議事録をとっていたら
同僚にタイピングマシーンと呼ばれたことです。

さてHOTなネタ、というお題なので、この頃白石がハマって楽しく観ている映画やドラマを手掛けた、坂元裕二さんの脚本に関するお話をブログで書こうと思います。（以下、恐れ多くも敬称略で表記します。）

坂元裕二脚本作品といえば、今年の公開作を挙げても「花束みたいな恋をした」や「大豆田とわ子と三人の元夫」などどちらも話題作ですし、その他の作品も言わずもがなヒット作ばかりです。

坂元裕二脚本作品には、設定・ストーリーの面白さ、キャスティング、セリフや物語を邪魔せず強く主張してないのに感情に訴えかけてくる音楽、などなど、胸熱ポイントがたくさんありますが、なんといってもその魅力は、独特なセリフやテンポ良いかけ合いなど会話劇にあると思います。

この前まで放映していた「大豆田とわ子と三人の元夫」も、登場人物のクセの強い発言に笑ったり引いたり共感したりしながら、観るたびにいっそう引きこまれました。最終的に、大豆田とわ子のこと大好きになりましたもんね。

それで、ふと思ったんです。
ああいう独特の言い回しって、物語の中だけの話なんだろうか。見逃しているだけで、現実世界にもああいうクセの強い坂元裕二脚本的な会話がそこかしこに生まれては、人知れず消えているのではなかろうか、と。なーんて思って生活していたら、クセある人たちのクセある発言、ありました。

ということで、最近ビジネスシーンで目撃した、坂元裕二脚本で誰かが口にしそうな会話をご紹介します。（※注※ 会話にのぼる人物も、会話する人も、登場人物は全て弊社社員です）

＜その１　リモートワーク中の出来事篇＞
（とれなかった電話に対して）
A「あの人が電話勝手にかけてくるから」
B「電話ってそういうもんじゃないんですか？」
A「電話だってアポ取って欲しいですよ。気づかないし、都合わるいかもしれないじゃない」

というやりとり。ジョークで言ってただけなのですが、だいぶリモート化されてきたこの時代に、電話のあり方について一石を投じる指摘。わかる、って共感する人も多そう。2017年の「カルテット」でバズった「からあげに勝手にレモンかけるな、かけてしまえば不可逆」論争をほうふつとさせる問題提起ではないでしょうか。共感が得られそうだけど偏屈な意見にも聞こえるセリフで、坂元裕二脚本にありそうだと感じました。「大豆田とわ子と三人の元夫」劇中ならば、慎森がいきなり電話かけてきた英字新聞マンに毒づいて、八作さんとやりとりして欲しいセリフです。

 

＜その２　後輩指導の指導篇＞
A「あなた、すいか割りしたことあります？すいか割りって「そっちじゃない！」って言われ続けてもすいか割れないでしょう。すいか割りたいなら「そっち！」とか「もっと右！」とかちゃんと方向言わなきゃいけないでしょう。ネガティブなことは指摘しやすいけど、大事なのはどうしてほしいかでしょう。」

なんぼほど、すいか言うんや。それはさておき後輩指導をすいか割りに例えて指導する、そして一息に主張する。何かを強く訴え、深く理解させようとするときにありそうな言い回しだと思ったんですが、どうでしょうか。

 

＜その３　雑談篇＞
A「今度、入院することになっちゃって…。」
B「入院何回目ですか？」
A「初めてです」
B「そんなことないはずです。誰しも生まれた瞬間は入院してるから2回目以上のはずです。
え、それともAさん自宅で産まれたんですか？」

この雑談で親交が深まるのかは置いといて、たわいない会話の中にも坂元裕二成分は潜んでいました。高橋一生さんあたりに言っていただき、その場をしんと冷えた空気にさせてみたいですね。

日常に潜む坂元裕二脚本的な会話劇、結構あるものです。これからも気になる言葉をひっそりメモして、時折見返してニヤつこうと思います。

ここまで何を言っているかよくわからんという方は、
損はしないと思いますのでドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」よかったらご視聴ください。
以上タイピングマシーン、じゃなかった白石でした。